全国の医療現場でいま、経営の危機が起きています。
2020年当初からのコロナ禍。
パンデミックで全世界にあっという間に拡大した新型コロナウイルス肺炎。
死亡率も高く、本日までに世界で56万人以上の患者さんが亡くなっています。
そのような状況の中で、感染症指定病院が一般病棟をコロナ用に転換して、新規の入院患者さんに備えています。当然、全部の病室が埋まることはありません。
準備をするだけで人件費を含めて巨大な損失が出ます。
さらには、
院内感染を起こす病院が増えて、医療機関への受診控えが始まり、
内科や小児科の外来患者さんが激減しています。
それに伴って、医療機関の経営が危機的状況に陥っています。
地域の経済と医療機関の疲弊が重なり、いままさに医療崩壊が起きようとしています。
また、経営が厳しいために人件費削減をせざるを得ない病院が出ています。
看護師などの職員に対する夏のボーナスを、
昨年より引き下げた医療機関が、
およそ3割にのぼることがわかりました。
日本医療労働組合連合会の調査では、全国338の医療機関のうち、およそ3割にあたる115の医療機関が、看護師などの、この夏のボーナスを2019年より引き下げています。
多くの医療機関が、新型コロナウイルスの影響で病院経営が悪化したことをボーナス減額の原因にあげていると報告しています。
そのような報告が出されているなか、
東京女子医科大学病院は、全職員の夏のボーナスを全額カットしていて、退職を希望している看護師は400人以上にのぼるという報道がありました。
病院は人材が命です。
医師や看護師を含めた職員が患者さんに良質の医療を提供するのが病院です。
東京女子医科大学病院の
全職員のボーナスカットは余程の理由があってのことでしょう。
経営者としては、
経営の破綻を受け入れるか
職員の退職を受け入れるか
の
究極の選択だった可能性があります。
東京を基盤とする大学病院がこのような状態なので
地方のその他の病院における経営状況は推して知るべしです。
早晩、地方の病院における経営破綻の連鎖が起きると予測します。
東京都も含めて、地域医療はすでに崩壊しつつあります。
このコロナ禍での地域医療崩壊は体力のない住民の死に直結します。
どのようにして、医療を守るか!
待ったなしの闘いの中にいるのです。
私たちの病院が経営破綻してしまわないよう、
今日も全職員が頑張っています。
外来患者さん、入院患者さんが安心して療養できるように
良質な医療を提供しています。
院長は
全力で働く職員のみなさんに感謝ですね!